レトロゲーム攻略

80年代PCレトロゲームを攻略してます

月刊ログイン 創刊号(1982 No.1)

手元にあるレトロPC雑誌を振り返るコーナー。第2弾はこの雑誌を語らずして80年代レトロPCゲームを語ることなかれ、「ログイン(LOGiN)」です!まずは創刊号からお届けします。 [:contents]

月刊ログイン 創刊号

月刊ログイン 創刊号 表紙

背表紙には堂々と「パーソナル・コンピュータ情報誌」の文字が。そう、初期のログインは84年以降にみられる「PCゲーム雑誌」ではなく、結構お堅い内容の記事ばかりです。これがログインの創刊宣言?みたいなものでしょうか。アスキーは「マイクロコンピュータ総合誌」、ログインは「パーソナル・コンピュータ情報誌」、という違いがあったようです。実際、ログインはその後よりパーソナルユース=趣味・娯楽の方向に進化していった、ということになりますね。

月刊ログイン 創刊号 01

 

初代編集長は吉崎武さん

ちなみに初代編集長は吉崎武さん。いまはこんな素敵なプロジェクトをされています。

100年分8千冊の技術雑誌を集めた「夢の図書館」を公開したい!

100年分、8千冊。ぜひ拝みに伺いたいですね。場所は高尾らしいので、首都圏在住なら日帰りで行けます。まだ図書館というよりは倉庫+アルファな感じみたいです。

【マイコン聖地巡礼】山のふもとの夢の図書館でスーパーレトロな国宝級マガジンを読み漁ってきたよ! Byクーロン黒沢

 

月刊ログイン創刊号の目次

さて、目次、行ってみましょう。目次あると国会図書館にコピー請求するときの参考になりますね。まず、前半。堅い記事が多いですね。「キャプテンシステム」、「レーザーディスク・コントローラの製作」。I/Oと間違えるほどのお堅さ。実際に、PC-6001でパイオニアレーザーディスクをコントロールするという特集で、コントローラー基盤の回路図が載っていて、コントローラーをPC-6001のプリンタポートに接続する。そして、ベーシックのプログラムでレーザーディスクをコントロールする、といった内容です。とてもあの「山ログ」と同じ雑誌とは思えない内容です。SOFTLOG TOP10がありますね!これは楽しみ。後で写真を載せて紹介します。

月刊ログイン 創刊号 目次1

目次の後半。ポケコンにかなりのページ数が割かれています。108~147ページだから40ページ。みなさんはポケコン持っていましたか?私はPB-80というPB-100の廉価版を持っていました。横浜にあったレンタルソフト、TRYSOFTに行くとき電車の中でPB-80でゲームをやっていたのが懐かしい。。当時小学生でしたが、ある意味そのころからスマホ的なことを電車の中でしていました。そして、音声合成LSIを使った特集。これも回路図満載。84年にログインの編集長が変わるまではお堅い路線が続いたようです。

月刊ログイン 創刊号 目次2

 

月刊ログイン 創刊号のリストログ

記念すべき最初のリストログのゲームは、我らがPC-6001の「フットボールゲーム」。アメリカンフットボールのゲームです。32KB、要ジョイスティック。なにやら凄そうなゲームに聞こえますが。。

月刊ログイン 創刊号 リスト掲載

はい、キャラクターゲームです(笑)。当時の初期AXシリーズの流れですね。ひょっとすると同じ作者かもしれません。東大コンピュータクラブでしたっけ?AXシリーズの話は、古川亨さんの本にもいろいろ書かれていましたね。

僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史 (NextPublishing) Kindle版

 

月刊ログイン 創刊号のSOFTLOG

さて、本題に戻って。SOFTLOG TOP10!初期のSOFTLOGは総合版みたいなのがなくて、大阪と東京に分かれていたようです。まずは大阪から。アスキーツクモの2強ですね。ツクモは当時九十九電機という名称だった気がしますが、ソフトメーカーとしてはツクモだったようです。「パックマン」って、、著作権におおらかな時代だったのでしょう(笑)。そしてPC-8001が圧倒していますね。

月刊ログイン 創刊号 SOFTLOG1

続いて東京。こっちもアスキー出版とツクモの2強は変わらず。ただ、大阪になかった「4人麻雀」が1位。あと、ハドソンが入っていますね。でも、全体的には売れ筋ソフトの傾向は大阪も東京も変わらないみたいです。ツクモが強いのは、店舗の存在でしょうね。東京にも大阪にも店舗持っていたので、だから上位に来ているのでしょう。ちなみに、ソフトバンクはソフトウェア流通として起業するわけですが、それが1981年9月。ソフトバンクがハドソンと独占契約を結んで、本格的にソフトウェア流通を始めたのが1982年初夏以降。だから、まだ店舗が圧倒的な力を持っていたのだと思います。恐らく、福岡ならシステムソフトが上位に来るでしょう。ちなみに、初期ソフトバンクの話はいろいろと面白いです。

月刊ログイン 創刊号 SOFTLOG東京

ちなみに、初期ソフトバンクのハドソンと上新電機がらみの話はいろいろと面白いです。ぜひ、下のサイトの記事も読んでみてください。個人的にもゲーム流通とゲーム広告の関連性とか気になっているので、いつか研究したいところです。

設立当時の危機

恩人が告白!なぜ私は「裸の孫正義」に賭ける気になったのか

孫正義 長者日本一への⑦決断「若くても、資本がなくてもNO1になるには…」(4)

電子工作系の記事が本当に多い。。

初代編集長が吉崎さんで、電子技術・電子工作に傾倒のある方だからこそでしょう、とにかく電子工作系の記事が多いのが特徴です。下の回路図、私にはさっぱり分かりませんが(苦笑)、マジなヤツだということぐらいは分かります。

デジタルスピーチシンセサイザー 回路図

工具特集のページまでありました。。

月刊ログイン 創刊号 工具特集

月刊ログイン 創刊号に掲載されたゲーム広告

ほとんどなかったです。。わからないですけど、創刊号が刊行されたのが1982年5月とすると、恐らく広告営業は2月とか3月には動いていたのだと思います。ただ、当時はまだソフトバンクがハドソンとの独占契約を結ぶ前。つまり、全国的なゲーム流通網がない時代なので、販売方法が通信販売、開発元のパソコンショップ店頭、秋葉原日本橋にある大手パソコンショップに限られていたこともあり、広告を出すメリットがあまりなかったのでしょう。広告として見つけたのは2つだけでした。

システムソフトの広告

ご存じ、福岡の雄システムソフトです。システムソフト全体の広告の一部にありました。どれも遊んだことはありませんが、きっとBASICで作られたシンプルなゲームでしょう。「走れ!Tiny」、「ロードランナー」、「大戦略」、「天下統一」などの人気ゲームが販売されるのはのちのこと。

 

月刊ログイン 創刊号 システムソフトの広告

ちなみに、システムソフトはまだ存在していますが、純粋なシステム開発会社になっています。ゲーム関係はシステムソフトアルファーという会社で販売しているみたいです。

アスキー出版の広告

「AXシリーズ、byアスキー」でおなじみ、アスキー出版の広告というか自社広告ですね。まだ伝説のAX-5はないので、ほとんどオールBASICのゲームですね。

月刊ログイン 創刊号 アスキー出版の広告

月刊ログイン 創刊号の背表紙

最後は背表紙。EPSONのハンドヘルドPC、HC-20でした。信州精器株式会社という社名だったんですね。マイクロカセットとレシートみたいなプリンタが内臓。小さい液晶画面がついて1.6Kg。この手のポケコン以上パソコン未満のカテゴリーにはPC-8201などもありましたね。

月刊ログイン 創刊号 背表紙